よく筆者の記事の中にパワーとか出力、4.5倍とか5倍とか出てきます。
これってなんの数字?
自転車乗りはみんな知ってるの?
コワイ・・・
この数字はパワーメーターの数字に関するものだよ
パワーメーターを持っていない人には耳なじみがないこの数字。
これを簡単に解説していこうと思います。
「パワー」と「出力」
パワーと出力は同じ意味です。
(以下パワーと表現)
パワーを簡単に説明すると
「踏み込んだ時にペダルに掛かる力」のことです。
パワーを表す単位をw(ワット)といいます。
このパワーを計測するにはパワーメーターという機材が必要になります。
パワーがわかるメリット
メリットは自分の能力値を可視化できるところです。
それにより、パワートレーニングが行えて効率よくレベルアップできます。
まず現状の「めっちゃ辛い」数値をパワーメーターを使って可視化します。
この「めっちゃ辛い」感覚をトレーニングを重ねることで同じ数値に対して少し辛い感覚に軽減できたら、それは速くなっているということになります。
例:160wで20分走る⇒めっちゃ辛い
練習する↓
同じ160wで20分走る⇒少し辛い
感覚と実数値のズレをなくす
もうひとつ、数値を見てペース配分を行えます。
例えば、ヒルクライムレースがあったとしましょう。
出走の際にレース独特の雰囲気や周りのスピードに魅せられて、後半にバテてしまった経験はないでしょうか?
このような場合にパワーメーターが役立ちます。
数値化することで、現在のペースが適正かを数値を用いて判断することができるのです。
「平坦」と「登り」での体重とパワーの関係
FTPとは
パワーを話す上で出てくるのが「FTP」という単語です。
FTPとは:1時間継続して出せるパワー
自転車乗りの間では、戦闘力のような表現をしています。
このFTPという数値は高いほど優秀です。
※FTPの測定方法は後半に記載。
パワーウエイトレシオとは?
登りになると重力が関係してくるので、体重1kgあたりのパワーの比率を見ます。
これをパワーウエイトレシオといいます。
重複しますが、登りは重力が関係します。
体重が増えるほど、重力も増すので、その分登るためにはパワーが必要になってくるのです。
登山で例えると、5kgと10kgの装備を背負うなら前者の方が速く楽に登れます。
これを同じように登るためには、10kgの装備に負けないパワー(筋力)が必要になります。
平坦と登り
一般的にFTPは体重が重いほど高くなります。
ボクシングの体重によるクラス分けをイメージすると、分かりやすいかもしれませんね。
体重が重いほうが出せるパワーが高い傾向にあります。
なので、平坦区間で競争したら、270wで走るライダーAの方が速い傾向にあります。
登りになると、逆転してパワーウェイトレシオが高いライダーBが早くゴールすることができるのです。
よく耳にする「〇倍の意味」
「倍」はパワーウエイトレシオ(w/kg)と同じ意味になります。
筆者はパワーウエイトレシオより倍の表現の方が楽なのでよく使います。
私のパワーウエイトレシオは3.9
よりも
3.9倍出せる
こっちの方が言いやすいので。
パワーウエイトレシオとかいうと舌嚙みそうです。
「〇倍」を使う一例として、登りの区間です。
3人で仲良く一緒のペースで登るとしましょう。
その時のライダーが70kg、60kg、55kgと体重が違う場合でも簡単にパワーの指定ができるのです。
しかし、パワーをw(ワット)で指定してしまうと、大変なことになります。
こんな訳で登りでペース配分を共有するときに「〇倍」と用います。
指定出力の注意点
この時に注意するのがピッタリ指定の数値でなくてOKということ。
あくまで参考程度で問題ありません。
仮に70kgのライダーAが指定の値を少し上下どちらかに外して登っても、誤差の範囲といっていいでしょう。
パワーウエイトレシオは、その日の体重の重さが関係してきます。
しかし体重は簡単に上下するので、大体のいつもの体重を把握しておけば問題ありません。
(正確にいうと、自転車の重量も関係してきます)
大切なポイントは、簡単な掛け算で体重が違うライダーでも共通言語として使用できるところです。
FTPの測定方法と落とし穴
先の説明でFTPはライダーの戦闘力と表現しました。
しかし、FTPは測定方法や得意不得意で数値が変化します。
なので、あくまでFTPは参考値として捉えておくぐらいで丁度いいかと考えます。
・1時間の平坦でFTP測定
⇒特徴:ずっと同じ姿勢で一定出力を出せるなら高くなる
・1時間の登りでFTP測定
⇒特徴:勾配の変化があるので、ダンシングやパワーの上下に強いなら高くなる
・20分での簡易FTP測定(20分の値×0.95)
特徴:短時間が強いと高くなる
・1時間ローラーでのFTP測定
特徴:使える筋肉が実走よりも少ない。
(ライダーにより実走よりも高くなったり、低くなったりする)
+その日の体調や疲労具合によっても上下する。
FTPテスト前のウォームアップでも変化する場合アリ。
上記のような条件により結果が変わりやすいです。
正確な数値を求めるなら条件をそろえて複数回やらないと正確な値が出てきません。
(FTPテストはきついので筆者はやりたくありません)
それと、先の記載でFTPは1時間出し続けるパワーと記載しましたが、実際に1時間出せない人も多いです。
(筆者はできません)
この説明すると長くなるので今回は省略。
あくまでFTPは参考程度でいいと考えるのが筆者の考えです。
(ただし、デタラメな数字だと意味がないので複数回のテストが望ましい)
まとめ
以上、今回の記事はパワーを全く知らない人に向けてまとめてみました。
このような記事は長くなりがちですね。
ここまで読んでくださってお疲れ様です。
パワーメーターが出回ってきた昨今では、一緒に走る人同士の共通言語として使用できる機会も多くなりました。
また、パワートレーニングをする上ではパワーを見る手段は絶対になくてはならないものです。
必要な強度に何分間滞在できるか、これを地道に繰り返せば絶対に速くなります。
この記事を見てパワーに興味が出た方は購入されてはいかがでしょうか?
https://ro-dotokidokimaunntenn.com/2022/06/29/post-427/