世間一般的には、200kmという距離は車でも移動するのがダルイと言われています。そんな中、とんかつこと「カツ」を食べたいとただひとつの理由で東照宮で有名な栃木県日光市まで往復200kmのライドをしてきました。言うまでもなく「東照宮」や「華厳の滝(けごんのたき)」のような観光地などガンスル。ただ、カツをたべて峠を登って帰ってきただけのライドです。
今回のメンバーはカツライドの主催者のソロでどこへでも行くふじべるさん、200kmをシクロで走るインディさん、最近スカイベリー練に参加しているモッチャンさん、自分の総勢4人でカツを食べに行くだけに早朝5時に集合して日光を目指します。
10月の気温に対するウェアのチョイスは絶妙で、早朝の気温にビビッて温かいウェアを選んでしまうと登りの際に汗ダルマが爆誕してしまうことは必須。しかし、人間とは愚かで忘れてしまう生き物。筆者は言うまでもなく愚かな人間なので、スタート時に「冬用のインナー+半袖のサイクルジャージ」の装備で集合場所まで自転車を走らせる額にはうっすら汗が見えました。
結果として、インナーを脱ぎ捨てサドルバックにIN!
気温15℃で若干肌寒い中、周りからは「なんで半袖なの?」と若干引き気味で正論な質問される始末。筆者が逆の立場なら同じことを言っているでしょう。よもや、出発前からやらかすとは・・・
そんな幸先の悪い中で日光ライドの始まりです。
この日のライドも筆者の相棒は当然のように「真っ赤なクロモリアンカー」です。どうせ冬用装備や他の重量物があるので多少軽くなっても意味がないのと、重くて登らなければその分パワーを出せばいいという脳筋パワーキャラなので全然問題なし、オールOKです。
朝食代わりに150mほどの峠を2つ超えて、ロード乗りの栃木県民はみんな大好き、「山の神バンガロー」に向かいます。
登りに突入してずっと先頭を引いてくれていたふじべるさんと2人でバンガローの道中を進みます。なかなかのペースだと思ってサイコンを見たら280wを推移していました。この2人は「峠=トレーニング場」というプログラムを脳みそに刷り込まれているので、序盤だろうと足を残そうなどという考えは皆無!足がなくなったら未来の自分がきっとなんとかしてくれるので序盤だろうが踏んでしまいます。流石に経験値が豊富なのでオールアウトする乗り方はしないのは大人と言わざるを得ません。
25分ほどして例の看板が目に入ってきました。こんな尖った考えに賛同いただけないインディさん、モッチャンさんの2人と合流してバンガローより上の残りをヒルクラ開始。登坂中は後方からインディさんが「3倍で登っている」という声が聞こえてメーターを見ると3倍ちょい出てました。パワメが壊れたのかと一瞬思いましたが、単純に重量が重いからだと思い出し安堵する自分。大丈夫、苦労した分だけ強くなれる。70kgの重い体も、重い自転車も考え方を変えれば負荷をたくさんくれる、経験値を多く得られる優秀なツールと言えなくないでしょう。この時の車重が何キロか気になるところでしたが、数字を測って見てしまうとターマックで行った方が・・・と絶対に思うので測ってこなかった過去の自分グッジョブ!
そんなこんなで山頂に到着。1080mから660mまでのダウンヒルに備えて冬装備に換装します。一般的に「100m標高が高くなると気温が0.6℃下がる」ことに加えて「風速1m/sで体感温度が1℃下がる」ので、山頂の気温は10℃ですが、体感温度はなんかもう大変な温度になっているはずです。
安定のルコック!
インディさんから「ルコック好きだねー」ときたので、
愛してますから!
と答えます。当然です!
このウェアは0~5℃対応品。これまでのロードバイク人生の教訓で、寒さは舐めたらいけないと身をもって経験しています。11月の雨のブルベを舐めた装備で行ったため低体温症になったこともあったので、寒いと予想したら少しやり過ぎ?と思うくらいの装備で行くように心がけるようになりました。
この日も振り返ると15℃のウェア+ウインドブレイカーで行けた気もしますが、もしも想定よりも気温が低くても対応できる安心感は心強いの一言です。ダウンヒルが終わるたびに脱ぐのが面倒ですが、歯をガチャガチャしながら辛い思いをして下るより1億倍マシである。
そんな訳で高度400mほど下ったらウェアを脱ぎ捨てバックに収納。その後アップダウンを超えた先にある「いろは坂」という県外の人も名前は聞いたことがあるであろう山頂を目指します。
最後に上ったのが、初のスカイベリーの練習会に参加した2016年10月10日だったので実に6年ぶりの対面。2016年に上ったいろは坂の記憶は、当時のリーダーであるひろしー氏とラストのゴール付近で弱ペダのゴールを思い起こすような戦いがあった記憶があります。
なので「いろは坂=キツイ、辛い」という記憶が刷り込まれていたので6年間も近づかなかった訳なんです。そして挑んだ今回、普通に3倍で登って29分で登り終わりました。当時は全開で24分で登っていたので昔はがむしゃらに頑張って挑んでいたことをタイムを見て分かりました。そりゃ辛いはずだ!
「いろはの感想=特になし」とアップグレードして過去のトラウマを克服した後、例のカツを食べるべくお店に並びます。時刻は現在10時20分。11時からお店がオープンなので並んでいる人は当然0人、一番乗りです。
ソースかつ丼にするか、はたまたカツカレーか40分しっかり悩んでカツカレーに決定しました。理由は沢山食べられれそうだから。
ゴーゴーカレーが大好きな筆者ですが、ここのカツカレーは別格。肉厚でとても上品な味わいです。しかもこのカレーの量が絶妙で、あえて少なくすることでカツにソースをかけて白飯としても食べられる仕様になっていると筆者は勝手に思っています。裏付けとして、カツにカレーがかかっていないことが証明しています(多分)。ここまで御託を並べましたが、ヒルクラで疲れた体に美味しさとエネルギーが染みわたり、終始幸せでした。
そんな横でインディさんがヒレカツ定食を食べており、「今度はヒレカツ定食を注文しよう」と心に決めたカツライドのメインディッシュでした。
通常ならここで引き返す訳ですが坂バカのやべーやつが集まる今回は、奥日光にある戦場ヶ原を抜けて金精峠に向かいます。ちなみにカツを食べた浅井精肉店から800mupほど。足よりも今食べたものがキラキラしないかの方が心配なご一行。
その行程に否を唱えるモッチャンさんが「坂バカに付き合ってられん」と内心思ったかは定かではありませんが、足が攣りまくりでヤバいとのことでここで離脱。これより3人で奥日光の秘境に向かいます。
通常のゆるポタなら景色がいいところで写真を撮るために一旦自転車を降りるモノですが、この三人衆は降りる気0っ!お昼のカツカレーが胃の中で暴れまわってますが、ガン無視で登ります。なんだかんだこの日は峠を終始強度は3倍以上で登っていました。
奥日光の湖(名前を忘れた)や戦場ヶ原の殺伐とした風景はとてもGOODでしたが、「景色がいいねー」と声を掛けて通り抜けるあたり少数派なのでしょう。自分はこのノンストップスタイルの方が好きですが。
なのでブロガーですが写真を残さずにサドルに座り続けた結果、ブログに挙げる写真が2枚だけになってしまいました。まぁこのブログにいい写真を求めている人は皆無なので些細な問題です。
この「とても登っている感」がある頂上付近の写真と
山頂ではしゃいでいる姿を撮った写真を残して初の奥日光ライドは帰路に突入します。ここからは下りばかりなのでガンガン加速してスタート地点を目指します。帰路に就く前に起きたエピソードは、山頂でふじべるさんとインディさんが「他の峠も登る?」と聞いてきたので
帰る!!
と即答。
もう峠の度に服装を換装するのが面倒になったのと、この日の天気が夜になるにつれ悪くなるので早く帰りたかったのがあるんです。今回のライドでそんなにキツイ印象がなかったので、クソ暑い8月なんかにくれば気温的にいい感じになるはずです。
帰りの道の道中も、「ソロでどこへでも行ってしまうことでお馴染みのふじべるさん」に先頭もお任せします。この日は終始引いてもらいました。感謝感謝。
そして、車通りのない裏道ばかりをチョイスしていただいたので、通る道の雰囲気が「ぼくの夏休み」の舞台の様。悪く言えばゲームの「サイレン」みたいで、夜通るならライトをマックスパワーにして元気に歌わないと発狂しそうです。通過したのが明るいうちで本当に良かった。しかし、よくこんな道知ってますね今度使わせていただきます。
そんなわけで帰りは特別書くようなことは起きず、雨が降る前にゴール出来ました。
走行時間は9時間4分、経過時間は12時間20分のライドでした。ロングライドで楽しむには体に痛みが発生しないことが絶対条件と改めて感じました。今回は足の調子がいつも以上によく、終始踏めていたので楽しかったのだとも思います。
s-works aresだと200km走っても痛くならない
今回はカツの他に、もう一つ自分のテーマがありました。
「s-works ares」で初の200kmの際に足に痛みが出るかどうか。
結果としては痛みは全くなく走り切ることができました。レースでもロングライドでも使用できる優秀なシューズです。
全ての人にこれが適応されるという訳ではないでしょうが、少なくても自分には現在の最適なシューズと言っても過言ではありません。
細かく書くと長くなりそうなので別で記事にまとめるかも。
まとめ:秋のロングライドのダウンヒルは冬装備を
今回経験したことは次の3つ。
・いろは坂を登ったあとのカツカレーは最高にうまい
(ただし後の峠では胃の中で暴れる)
・10月の時期に標高1600mのダウンヒルは冬装備
・200km走っても「s-works ares」のシューズだと痛みがでない
人によって寒さの耐性が異なりますが、夏の暑さに慣れていると寒さ耐性が低くなっていることが多い印象です。体感ですが、寒さに慣れた1月の氷点下のライドの方が、12月の5℃のライドより楽な印象。
そんなこと言っても山の気温が分からないよ><
という方は「てんきとくらす」通称天クラを見ると具体的な気温が分かるのでおススメですよ。これを見ると「この時間に到着予定だからこれくらいの装備でいこう」という計画も立てやすいです。
軽装で下山の時に地獄を見るなら、少し重くなっても装備をしっかり整えて秋の山に挑みたいものですね。